分野別対策

要旨要約

2026年11月1日

要旨要約問題は,英文を読んで,その内容を指定された字数の日本語でまとめる問題です。英文を正確に読む力に加えて,本文全体の論理の流れをつかむ力と,それを日本語で簡潔に表現する力が問われます。このページでは,要旨要約問題の基本方針と解答の手順,そして答案をまとめるうえでの注意点を整理します。

要旨要約の基本方針

本文をよく読み,「筆者の言いたいこと」「本文中の各要素間の論理関係」を「ミクロに」「マクロに」おさえたうえで,「本文全体を通じて筆者の言いたいこと」が何なのか「自分の言葉で」考えてまとめる

要旨要約は,本文の重要そうな文を抜き出してつなげる作業ではありません。本文全体を通じて筆者が何を言いたいのかを自分で考え,それを自分の言葉で再構成する作業です。

レベルおさえること
1. 文一文ごとのテーマ・トピックと内容
2. 段落段落のテーマ・トピックと主張
3. 本文全体本文全体のテーマ・トピックと筆者の主張

「筆者の言いたいこと」をおさえる

① テーマ・トピック / ② テーマ・トピックに対する筆者の主張 / ③ 筆者の主張に対する論拠
要約の答案には,原則としてこの3つの要素を盛り込む

論理関係要約で保存するべきこと
因果関係何が原因で,何が結果か
逆接関係一般論・従来の考えと,筆者の主張の対立
対比関係何と何を比べ,どこが違うのか
累加・並立関係並べられている要素のうち,どれが主でどれが従か

本文中の論理関係(因果関係・相関関係・順接関係・逆接関係・並立関係・累加関係・対比関係)は,要約の答案でも正確に保存する必要があります。論理関係の詳しい見分け方は「長文読解(説明的文章)」で扱っています。

要旨要約の手順

① 各段落のテーマ・主張をつかむ → ② 本文全体のテーマ・主張を決める → ③ 論理関係を保ったまま字数に合わせてまとめる

For a long time, sleep was thought of as a passive state in which the brain simply rests. Recent studies, however, show that the brain is highly active during sleep. It sorts the information gained during the day, strengthening important memories and discarding unnecessary ones. In this sense, sleep is not wasted time but an essential part of learning.
長い間,睡眠は脳がただ休んでいるだけの受け身の状態だと考えられてきた。しかし最近の研究によれば,睡眠中も脳は活発に活動している。脳は日中に得た情報を整理し,重要な記憶を強化して不要な記憶を捨てているのである。この意味で,睡眠は無駄な時間ではなく,学習に欠かせない一部なのだ。

① テーマ
sleep
睡眠中の脳の働き
② 主張
an essential part of learning
睡眠は学習に欠かせない
③ 論拠
sorts the information
睡眠中,脳は情報を整理し記憶を定着させている
要約例(70〜80字)
睡眠は脳が休むだけの受け身の状態だと考えられてきたが,実際には脳は睡眠中に日中の情報を整理して重要な記憶を定着させており,睡眠は学習に不可欠なものである。

要約例では,however による逆接関係(従来の考え ⇔ 研究で分かったこと)を「〜と考えられてきたが,実際には…」の形で保存しています。また,In this sense で示される筆者の主張(睡眠は学習に不可欠)を文末に置き,答案の結論にしています。

「自分の言葉で」まとめるときの注意

内容・論理展開面

本文中の各要素間の論理関係を「ミクロに」「マクロに」おさえ,それを正確に保存する
本文不在の「事実内容」「因果関係」「価値判断」を勝手に補わない

NG答案の例問題点
睡眠中も脳は活発に活動しているので,睡眠は学習に不可欠である。「従来の考え」との逆接関係が失われている
睡眠不足だと成績が下がるので,毎日十分に眠るべきである。本文にない因果関係・価値判断を補っている
睡眠は脳が休む状態であり,記憶を整理する時間でもある。筆者が否定した考えを肯定してしまっている

本文の内容から自分で推論したことや,一般常識として知っていることを答案に書き加えてはいけません。要旨要約で問われているのは,あくまで「本文に書かれている筆者の言いたいこと」です。

日本語面

答案が「日本語として通じる」ことがまずは最優先
端的な表現については大胆な意訳も必要

特に注意すること例
漢字の書き間違い「必用」→「必要」,「専問」→「専門」
不自然な主述のつながり「睡眠の役割は,記憶を定着させる。」→「睡眠の役割は,記憶を定着させることだ。」
不適切な語法・コロケーション「〜する傾向が多い」→「〜する傾向が強い」
不適切な書き言葉「〜じゃない」「すごく」などの話し言葉は避ける

字数制限がある場合は,本文の具体例や細かい説明を省き,主張と論拠の骨組みを残します。英語の名詞表現を「〜が…すること」と開くと字数が増えるので,要約では「〜の…」と名詞のまままとめるのも有効です。

確認しよう

筆者の言いたいこと → テーマ・主張・論拠をおさえる
論理関係 → 逆接・因果・対比などを答案でも保存する
自分の言葉で → 本文にない内容を補わず,日本語として通じる答案にする

要約の骨組みを作る
一般論 → However → 筆者の主張 → 論拠
→ 「(一般論)と考えられがちだが,(論拠)であるため,(主張)である」

A と B の対比 → 筆者は B を評価
→ 「A は〜だが,B は…であり,B のほうが望ましい」

問題提起 → 原因 → 解決策
→ 「(問題)は(原因)によって生じており,(解決策)が必要である」

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