和文英訳は,与えられた日本語の文を英語に直す問題です。単語を一つずつ英語に置き換えるだけでは,文法的に正しく,しかも英語として自然な英文にはなりません。このページでは,和文英訳の基本方針と,和文の構造のとらえ直し方,構文の「フレーム」の使い方,そしてよくある文法ミスを整理します。
和文英訳の基本方針
与えられた和文の構造・ニュアンスを正確に把握したうえで,「無理のない」英文を書く
| 「無理のない」英文を書くポイント | 内容 |
|---|---|
| 構造の違いを意識する | 和文と英文との構造の違いを意識しつつ,重要構文をはじめとする「フレーム」を使いこなす |
| 表現を使い回す | 他の問題(長文の本文など)に出てくる構文・表現を使い回す可能性を考える |
| 冒険しない | 自分が見たことのない / 聞いたことのない構文・表現は使わない |
和文英訳で目指すのは「美しい英文」ではなく,減点されない英文です。自信のない難しい表現を使うより,確実に使いこなせる構文・表現で正確に書くほうが,結果的に高い点数につながります。
和文の構造をとらえ直す
日本語の文をそのまま英語に置き換えず,英語にしやすい日本語に言い換えてから訳す
日本語の「〜は」は,英語の主語になるとは限らない
象は鼻が長い。
Elephants have long trunks.(✕ Elephants are long noses.)
最近の若者はあまり本を読まなくなったと言われる。
It is said that young people today read fewer books than they used to.
「〜しなくなった」を don't read としてしまうと,「まったく読まない」という意味になってしまいます。和文のニュアンス(以前と比べて減った)を正確につかみ,比較級などのフレームに当てはめましょう。
構文の「フレーム」を使いこなす
和文の内容を,確実に使いこなせる重要構文(フレーム)に当てはめる
| 日本語 | フレーム |
|---|---|
| 〜すればするほど… | The + 比較級 ~, the + 比較級 … |
| 〜して初めて… | It is not until ~ that … |
| 〜のおかげで…できる | 無生物主語 + enable / allow + O + to do |
| 〜する価値がある | be worth doing |
| 〜と言っても過言ではない | It is no exaggeration to say that ~ |
| 〜するのは…だ(形式主語) | It is + 形容詞 + (for 人) to do |
外国語は,学べば学ぶほどおもしろくなる。
The more you learn a foreign language, the more interesting it becomes.
インターネットのおかげで,私たちは世界中の人々と連絡がとれる。
The Internet enables us to communicate with people all over the world.
「〜のおかげで」を thanks to ~ で書くこともできますが,無生物主語 + enable O to do のフレームを使うと,英語らしい簡潔な文になります。無生物主語構文は「無生物主語構文 Level 1」で確認しましょう。
英作文において「よくある」文法ミス
答案を書き終えたら,次の6つのミスがないかを必ず見直す
| ミスの種類 | 注意点 | 例 |
|---|---|---|
| 冠詞 / 単複 | 原則として名詞には冠詞が必要。可算名詞は必ず単複を考える | ✕ I bought book. → ○ I bought a book. |
| 3単現の s | 主語と動詞の間に副詞(often / usually など)が入ると特に注意 | ✕ She often visit him. → ○ She often visits him. |
| 品詞選択 | 名詞を修飾するのは形容詞,動詞・形容詞・文全体を修飾するのは副詞 | ✕ She speaks English fluent. → ○ fluently |
| 前置詞の有無 | 自動詞は前置詞が必要,他動詞は前置詞が不要 | ✕ discuss about the plan → ○ discuss the plan |
| 時制 | 時・条件を表す副詞節では,未来のことも現在形 | ✕ when he will come → ○ when he comes |
| スペリング | 自信のない単語は,確実に書ける別の語で言い換える | ✕ recieve → ○ receive |
これらのミスは,一つひとつは小さくても確実に減点されます。それぞれの文法事項は「限定詞・冠詞 Level 1」「一致 Level 1」「動詞 Level 2」「時制 Level 2」で詳しく扱っています。
詳しい説明を読む
可算名詞と不可算名詞
information / advice / furniture / homework などは不可算名詞で,a をつけたり複数形にしたりできません。
彼は私にいくつか助言をくれた。
He gave me some advice.(✕ some advices)
数えるときは a piece of advice のように表します。可算名詞と不可算名詞の区別は「名詞 Level 1」で確認しましょう。
確認しよう
和文の構造・ニュアンス → 英語にしやすい日本語に言い換える
フレーム → 確実に使いこなせる重要構文に当てはめる
見直し → 冠詞・単複,3単現,品詞,前置詞,時制,スペリング
→ フレーム:It is not until ~ that …
→ It is not until we become ill that we realize the value of good health.
この本を読めば,日本の歴史がよく分かるだろう。
→ フレーム:無生物主語 + help + O + do
→ This book will help you understand Japanese history better.